The Loadlin+Win95/98/ME mini-HOWTO
Authored by: Chris Fischer,
protek@firstlinux.net
JF Project
日本語訳
JF@linux.or.jp
v1.5.2, 21 Feb 2001
この文書は、Windows 95/98/ME から Loadlin を使って、Linux を起動する方法を
のべたものです。
はじめに
この文書では、Loadlin を使って Linux と Windows 95/98/ME をデュアルブート
にするための手順を、3 段階に分けて記述しています。LILO ブートマネージャを
使用したい場合は、
Linux+Win95 Mini-HOWTO (
日本語訳) をご覧ください。
この文書は、以前のバージョン (1.4.6) に大幅な変更を加え、完全に書き直した
ものです。主に次のような点が変更されました。
文書名の変更。Loadlin+Win95/98/ME mini-HOWTO は、これまで "The Loadlin+Win95
mini-HOWTO" と呼ばれていました。文書名の変更は、文書内容をより忠実に反映させ
るためです。
Win95 ではなく、Win98 を中心に説明することにしたことで、この mini-HOWTO は、
より明解で分かり易いものになりました。Microsoft は、Win98 において Windows の
ブート方法を若干変更したため、Win95 でのデュアルブートのやり方は、Win98 では
使えなくなっています。Win95 向けの mini-HOWTO を見たい場合は、
こちら をご覧下さい
(訳注:以前のバージョンである Loadlin+Win95 の
日本語訳 があるので、そちらもご覧ください)。
旧版 (1.4.6) の著作権表示を変更しました。
Copyright
Copyright (c) 1997-2001 Protek Computer Solutions.
この文書は、フリーソフトウェア財団発行の GNU フリー文書利用許諾
(
GNU Free Documentation License) のバージョン 1.1 以降が定める条件
のもとで、複製・頒布、ならびに改変が可能であるが、
"The Loadlin+Win95/98/ME mini-HOWTO" は変更不可とする。
この文書の最新バージョン
この mini-HOWTO の最新バージョンは、まず The Linux+Windows 95 Reference Page
にポストされます。ご覧になっている文書が最新版かどうか確認する
際は、上記サイトをチェックしてください。
フィードバック
質問、コメント、提案は歓迎します。この mini-HOWTO を改善し、拡張していく
方法を探しているところです。わたしは、読者からのフィードバックを頼りに
この文書を改善しようと思っているので、連絡に対しては出来る限り迅速に
対応するつもりです。連絡先は、protek@firstlinux.net をお使いください。
免責
この mini-HOWTO では、できるだけ正確かつ安全な情報を記載するよう最善を
尽くしました。しかし、ここで提供している情報には、特定用途に適合すべき
明示的・黙示的な保証は一切ともないません。システム設定ならびにシステム
ファイルを変更する際は、事前にシステムファイルのバックアップを取って
おくことが、一般に良い習慣であると考えられています。こうした自衛手段は、
必要に応じて実行することをおすすめします。
Loadlin について
Loadlin とは?
Loadlin とは、DOS をベースにしたシンプルなユーティリティであり、DOS 上から
Linux カーネルをメモリにロードする機能を持っています。Loadlin は、
Hans Lermen が
作成したものです。Loadlin の機能と使い方の詳細については、
Loadlin-1.6 User's Guide をご覧ください。
重要:予備的な情報と設定
Windows ME ユーザ
ここでは、まずあらかじめ、この mini-HOWTO では Windows ME での利用について
制限があることを述べなければなりません。Windows ME ユーザからのフィードバック
によると、次の章で説明されているメニューシステムは、Windows ブートフロッピー
からの起動のときだけ有効であり、ハードディスクからの起動では機能しません。
Microsoft article について指摘してくれた Oliver Guichard に
感謝します。
その際、フロッピーディスク上に必要なのは、config.sys
と autoexec.bat だけであることに注意してください。
それ以外のファイルは、すべてハードドライブ上に置くことができます。
フロッピーから起動する方法を使わない場合は、LILO と Loadlin 以外の
ブートシステムについて述べた FAQ の
該当セクションをご覧ください。
Windows ME ユーザのなかで、起動フロッピーを使わなくてもすむ方法を見つけた
かたは、この mini-HOWTO で紹介しますので、その方法を
<protek@firstlinux.net> までお知らせください。
前提とする事柄
Windows 95/98/ME を問題なくインストールできていること
Windows 95/98/ME がドライブ C にインストールされていること
Linux を問題なくインストールできていること
Linux がどのパーティションにインストールされているか知っていること
LILO がハードドライブにインストールされていないこと
設定前に必要となるもの
loadlin.exe プログラムファイル
カーネルイメージファイル。通常は、bzImage か
vmlinuz (詳細は、FAQ
をご覧下さい)
設定の手順
ステップ 1
ドライブ C のルート上の config.sys を編集(もしくは
作成)します。このファイルの内容は、以下のようなものになります
(訳注:個々のオプションは環境に合わせて設定する必要があります。ステップ 2
以降でも同じです)。
[menu]
menuitem=Linux, Mandrake Linux 7.2
menuitem=Win98, Windows 98
menucolor=15,1
menudefault=Win98, 10
[linux]
[win98]
システム上に既に config.sys ファイルがある場合は、
そのファイルの内容を セクション以下に書き込んで
ください。 セクションは、わざと空白にします。
ステップ 2
ドライブ C のルートディレクトリ上にある autoexec.bat を
編集(もしくは、作成)します。ファイルの内容は、以下のようなものになります。
goto %config%
:linux
call c:\linux.bat
:win98
前回と同じく、もし autoexec.bat ファイルが既にある
場合は、そのファイルの内容を セクションのあとに
書き込んでください。
ステップ 3
linux.bat というファイルを作成します。そのファイルは、
ドライブ C のルートディレクトリに置くか、もしくは (そのファイルへのパスや
位置を指定する限り) 好きな場所に置いてかまいません。ファイルの内容は、
以下のようなものになります。
@echo off
c:\loadlin c:\vmlinuz root=/dev/hda3 ro
上記の例では、loadlin.exe と vmlinuz
がドライブ C のルートディレクトリ (C:\
) に置かれていて、Linux は /dev/hda3
パーティションにあることを前提になっています。読者の設定が上記とことなる場合
は、適宜修正してください。
ここで重要なのは、Loadlin と Linux カーネルファイルの位置を適切に指定しなけれ
ばならないということです。以上で、設定終了です!
上記の設定によって、わたしのシステム上で Win98 とのデュアル
ブートが設定できたように、読者のシステムでも上手くいくはずだと思います。
よくある質問
Loadlin についての詳しい情報はどこにありますか?
Loadlin は、お使いのディストリビューションの CD 上にあります。
'loadlin' で検索してみてください。
Loadlin-1.6 User's Guide が、以下のサイトからダウンロードできます。
http://elserv.ffm.fgan.de/~lermen/manual.txt もしくは、
ftp://ftp.eskimo.com/u/p/praxis/manual.txt
また、
Loadlin Home Page もご覧ください。
さらに、詳しい情報は、次の文書をご覧ください。
http://metalab.unc.edu/LDP/HOWTO/BootPrompt-HOWTO-2.html#ss2.2
Linux がどのパーティションにインストールされているのか分かりません。どうすれば
見つけられますか?
Linux のシェルプロンプト上で、df コマンドを実行
してください。/boot が表示されたなら、
それが Linux カーネルイメージがあるパーティションです。/boot が表示されない場合は、/ が付いている行を探してください。
カーネルイメージファイルはどこにありますか? MS-DOS パーティションにどうやって
コピーすればいいでしょうか?
カーネルイメージファイルは、通常 vmlinuz という
ファイル名で、/boot ディレクトリに
置かれています。vmlinuz は、実際のカーネルへの
シンボリックリンクになっている場合もあります。こうした場所で見つからない
場合は、Linux シェルプロンプトで、次のように打ってください。
find / -name vmlinuz*
上記のコマンドは、Linux の全パーティションで vmlinuz
を検索します。vmlinuz ファイルが複数ある場合は、
適切なファイルを使うよう注意してください。どれが適切なのかよく分からない
ときは、最新のファイルを使うのが確率的に一番安全だと思います。
Linux カーネルファイルを DOS パーティションにコピーするには、Linux 側で DOS
パーティションを認識できるようにして、その上で (DOS パーティションがマウント
されていない場合は、)それをマウントする必要があります。一般に、これらは、
Linux をインストールした時点で必要な設定がなされていると思います。あとは、
vmlinuz ファイルが置かれたディレクトリに移動して、
cp コマンドを使ってそれを DOS パーティションにコピーする
だけです。
しかし、Linux が DOS パーティションを認識できるよう設定されていない場合は、
vmlinuz をフロッピーにコピーしてください。(カーネル
イメージファイルを入れるのに充分な容量のある) DOS フォーマットした
フロッピーを用意して、それをフロッピードライブに挿入します。その上で、
Linux シェルプロンプト上で、次のコマンドを打ってください。
mount /dev/fd0 /mnt/floppy
カーネルイメージファイルがあるディレクトリに移動して、次のコマンドを打ちます。
cp vmlinuz /mnt/floppy
これで、vmlinuz をフロッピーディスクにコピーして、
DOS で読み出すことができます。Linux を終了して、DOS を立ち上げます。
次に、vmlinuz を設定に応じたディレクトリにコピーして
ください。カーネルを再コンパイルした際は、新しいカーネルイメージを DOS
パーティションにコピーすることを忘れないでください。この場合、そのまま
コピーすると古いファイルが上書きされてしまうので、新しいカーネルで上手く
いかない場合のことを考えて、あらかじめ古いファイルの名前を変更して保存しておく
といいかもしれません。
それ以外にも、mtools ユーティリティを持っている
なら、次のように打ってください。
mcopy vmlinuz a:
Linux と Windows 95/98/ME をインストールする順番は関係ありますか?
技術的な観点からは、どちらを先にインストールしてもかまいません。ただ、
Windows を先にインストールした方が 簡単 ではあります。
そうしておくと、通常は Linux をインストールしている途中で Linux から DOS
パーティションを認識できるように設定されるので、あとから設定する手間が
省けます。
現在 LILO をインストールしているのですが、Loadlin に変更したいと思っています。
どうすれば LILO を削除できますか?
LILO をインストールした際に上書きされてしまっている Win95 MBR (Master
Boot Record) を復旧する必要があります。DOS プロンプト上で、次のように
打ち込んでください。
fdisk /mbr
Windows 95 と Windows 3.x をデュアルブートで使用しているのですが、
ここでの方法を使って Linux もブートさせることができますか?
率直にいって、そうした設定をしたい場合は、LILO を使うことをおすすめします。
ただ、どうしても LILO を使いたくないなら、まず Win 3.x の方を起動して、その
上で、Loadlin のコマンドを実行する必要があります( Windows 3.x を走らせずに、
DOS 5.0 か 6.x で実行することに注意してください)。
Windows 95/98/ME のデスクトップ画面から Linux を起動することは可能ですか?
可能です。まず、たとえば、linux.bat といったファイル名の
バッチファイルを作成し、そのファイルを開いて、次のような内容の Loadlin
コマンドを書き込みます。
loadlin f:\vmlinuz root=/dev/hdc2 ro
このファイルを Windows デスクトップ画面に保存します。次に、
linux.bat のアイコンを右クリックして、メニューのプロパティの
上で左クリックします。そして、開いた画面の上のプログラム・タブ上をクリック
し、さらに詳細設定ボタンをクリックします。"MS-DOS モード" の左側をクリックし、
"MS-DOS モード実行前の警告" のボックスがチェックされていることを
確認します。そうして、OK をクリックして、再度、OK をクリックします。
以上で、Linux のアイコンをダブルクリックすると、MS-DOS モードに入る前に
警告画面が出現します。その画面で "はい" をクリックすると、Windows は
MS-DOS モードに入り、linux.bat ファイルが実行され
ます。
注意
Loadlin を使うには、MS-DOS モードに入らなければいけません。FAQ の Loadlin についての
詳しい情報 に掲載した manual.txt をご覧ください。
この文書のテキストバージョンはどこにありますか?
この文書のテキストバージョンは、
ftp://ftp.eskimo.com/u/p/praxis/loadlin.txt にあります。
LILO の代わりに使えるブートローダは Loadlin だけですか?
いいえ。他のユーティリティを使っても、デュアルブートの設定ができます。
GRUB: The GNU GRand Unified Bootloader
XOSL: Extended Operating System Loader
Other Bootloaders and Related Links
翻訳文書
現在、Michele Martiradonna <mmartiradonna@madeinlinux.com> による
バージョン 1.5.0 の
イタリア語の翻訳があります。
この mini-HOWTO を多国語に翻訳する作業を歓迎します。そうした作業に
関心のある方は、<protek@firstlinux.net> までメールを送って
ください。
日本語訳について
翻訳
:千旦裕司
<ysenda@pop01.odn.ne.jp>
校正
:武井伸光
<takei@webmasters.gr.jp>
誤訳・訂正等は、JF メーリングリスト <JF@linux.or.jp> もしくは
訳者までお願いします。